ぼるふ〜草原記

雪害

モンゴルの冬の雪害ゾド(zod)は一時日本でも報道され、多くの日本人に知られるものとなった。しかし、一口にゾドといっても、いくつかの被害に分けられる。

氷のゾド(Musun zod)

秋の終わりに降った雪が暖かい日中に融け、夜中の寒さで凍りつく。その時に、草同士や地面と草を氷でからまるように凍りつける。そのことによって、草はダメージを受ける他、冬に家畜が雪を掘り起こして草を食べる時に、氷の地面は硬くひづめを痛める。

白いゾド(Tsagaan zod)

大雪が降り、家畜が草を食べられなくなるゾド。低木の生えている地域では、まだ被害が抑えられる。大型家畜のひづめより少し上くらいの積雪だと、家畜が掘り起こして草が食べられるし、ある程度の湿気をもたらし草が生長する。しかし、小型家畜のお腹に届くまでの積雪になると、家畜が掘り起こせなくなるという問題が発生する。秋に蓄えた草があるというものの、この状態が続けば、蓄えはあっという間になくなってしまう。よって、真冬の中、全ての家畜を伴い、冬営地の移動をせざるおえなくなる。このように草を求めて冬に移動することをオトル(otor)という。

ひづめのゾド(Toorain zod)

雪があまり積もらず、草が充分に生えている地域では、家畜の集団が同じ場所を行き来することにより、草が踏みつけられて、草が生えてこなくなり、食料不足となる。本来であれば、遊牧民が草の生長を考え、放牧しなければならないのだが、誤った放牧を行うことによって、このような問題が発生する。

黒いゾド(Har zod)

秋冬にまったく雪が降らないゾド。雪が降らないことによって、充分な湿気がなく、また砂嵐により草が生長しない。生えたとしても栄養価の低い草で、その草を食べた家畜は太ることはない。また、雪が降らないため、地面むき出しで硬く、家畜の足が痛む。また、冬はそもそも井戸などが凍るため、そこから水を得ることは出来ないが、雪の湿気や水分を多く含んだ草を食べるため、家畜は基本的にはのどが渇かない。乾いたとしても、雪があるので、それを溶かして飲ませれば良いので簡単である。しかし、雪が降らなければ、水を得る術がなく、家畜はやせる一方である。

乾いた地域でできた草はzovlogoと言い、充分な水分を伴った栄養価の高い草をuutsと言う。

このゾドの場合も、雪が降る様子が一向になければ、冬営地を移動する以外に冬を乗り切る術は無い。

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